お金はあるのに、なぜ不安なのか
更新日:9月1日

お金の不安がある人=お金がない人!?
いえ、そうではないんですよね。
私は15年以上、「こころとお金」をテーマに、
多くの方の人生に関わってきました。
私のところに来られる方は、決して「お金がない」という方ではありません。
ある程度の貯蓄があり、資産運用をしている方もたくさんいます。
それでも、「この先、本当に大丈夫なのだろうか?」
特に老後、人生の後半に対して、
漠然とした不安を感じている方は少なくありません。
「いったい、いくらあれば安心なのか?」
「いくらあれば、大丈夫なのか?」
多分、大丈夫だろう。大丈夫なはず。
そう思いながらも、心のどこかに、
そこはかとない不安がある。なぜなのでしょう?
「いくら必要?」には、正解がない
一つには、老後に必要なお金は、
一律には決められないということがあります。
例えば、Aさん。
東京23区内のマンションで暮らし、映画や観劇が趣味。
外出した日は、そのまま外食をしたり、デパ地下でお惣菜を買って帰ったりすることも多い。
一方、Bさんは地方都市の戸建て暮らし。
家庭菜園が趣味で、ご近所の方と採れた野菜を交換するのも楽しみ。
当然、二人の生活に必要なお金は違います。
さらに、
何歳まで生きるのか?
という、誰にも答えの分からない数字も関わってきます。
人生100年時代と言われると、
「100歳まで生きたら、一体いくら必要なんだろう!?」
と思ってしまう方もいるかもしれません。
そこには、病気や介護といった予測できないことも加わります。
だから、「老後には〇〇万円あれば大丈夫」と、
すべての人に当てはまる数字を出すことはできないのです。
お金が「お化け屋敷」になる
もう一つは、自分のお金の全体像が見えていないことです。
貯蓄もしている。
保険にも入っている。
NISAも始めてみた。
でも、それらが自分の人生全体の中で、
どうつながっているのかは分からない。
一つひとつの「木」は見えていても、
「森」全体が見えていない状態です。
さらに、
まだ教育費がかかる。
住宅ローンが残っている。
これから転職したい。
そんな要素が加わると、ますます先が見えにくくなります。
こうして、
「いくら必要か分からない」×「自分のお金の全体像が見えない」
が掛け合わされると、
お金のお化け屋敷化現象が起こります。
お化け屋敷って、
どこで、どんなお化けが出てくるか分からない。
暗くて全体が見えない。
出口まで、あとどのくらいなのかも分からない。
だから怖い!
老後のお金に対する不安も、少し似ていると思うのです。
でも、数字が見えれば、それで安心?
そして、もう一つ。
私は実は、ここが一番大切だと思っています。
たとえ数字の上では余裕を持って老後資金を準備していたとしても、
自分が本当はどんな人生を送りたいのかが分からなければ、
本当に必要なお金も見えてきません。
そもそも、お金は幸せに生きるための道具です。
あなたが、「幸せだなあ」と思うのは、どんな時でしょう。
心から望んでいる人生は、どんな人生ですか?
どんな場所で暮らし、どんな毎日を送りたいですか?
ある経営者の女性が、セッションの中でふと漏らした言葉が、印象に残っています。
「私が、本当に望んでいる人生には、
それほどお金はかからないのかもしれない。」
一度立ち止まり、役割や「こうあるべき」という思考の枠を少し脇に置いて、
本当の自分の声に耳を傾けてみる。
そこから見えてくるもの。
心が動くこと。
こんなふうに暮らしたい、というビジョン。
そこから始めることが、心から望む人生のために、
お金を活かしていく第一歩だと思っています。
「貯める」から、「活かす」へ
お金に漠然とした不安があると、
「使わない方がいいのでは?」
「もっと貯めなければ」と、
どうしても守る方向へ気持ちが向きます。
もちろん、未来に備えることは大切です。
でも、自分が望む人生と、これからのお金の流れを一緒に見ていくと、
「ただ節約する」
「ただ貯める」
だけではなく、
今の暮らしの中にある幸せのためにも、
お金を活かしていくという視点が生まれてきます。
あるクライアントさんは、プログラムを終えたあと、
「長い人生の中の“今の自分”を、少し客観的に見られるようになった」
と話してくれました。
漠然とした不安がなくなり、
仕事を続ける意味や、家族と一緒に過ごす一回一回の時間も、
以前より大切に感じられるようになったそうです。
この夏には、ご家族で列車の旅を楽しまれる予定です。
未来のために、今を犠牲にするのではなく。
今だけを楽しんで、未来への備えを見ないことにするのでもなく。
今も、未来も、幸せに生きるために。
自分の本当の声に耳を傾け、
お金という道具を、自分の人生のために主体的に活かしていく。
そうすることで、どんな状況からでも、
何歳からでも、人生は今ここから創っていける。
そして、そんなふうに、不安を出発点にお金を考えるのではなく、
自分はどんな人生を生きたいのか。
そのために、お金をどう活かしていくのか。
という視点に立てるようになると、
少しずつ、自分で人生の舵を取り、
人生を創っていく感覚が生まれてきます。
不安からお金を見ていた時とは、まるで180度違う世界です。
これから何をしたいのか。どんな暮らしをしたいのか。
そのために、今あるお金をどう活かしていこうか。
そんなふうに未来を考え始めると、みなさんの表情が、本当に生き生きとしてきます。
人生を創っていくことは、本来とても楽しい
ことなのだと思います。
その変化は、伴走する私にとっても、心から喜びを感じる瞬間です。
2000年を迎える日の大晦日。
離婚して、家もなく、お金もなく、
駅のベンチに一人で座っていた自分がいました。
あの日から私自身も、少しずつ、望む人生を創ってきました。
だからこそ、これからも、
人生は、今ここから創っていける。
そのことを、こころとお金の両方から伝えていきたいと思っています。
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